後輩がミスをした時のフォローも大切
インシデントを起こしてしまったら同じミスを繰り返さないように振り返ることが大切です。ですが、「再発を防ぐ」という目的を追求するのではなく、「ミスしたこと」を責める人もいます。「何でミスをしたの?」と新人看護師を責めるのは絶対にしてはいけない対応です。
目的は再発を防ぐこと
インシデントは単に個人の責任ではなく組織全体の問題として捉えなければ再発を繰り返してしまいます。指導についている先輩看護師、いわゆるプリセプターと新人看護師の双方が「再発防止」という目的を理解することができなければ効果的な振り返りはできませんよ。ただ個人を責めるのは間違った対応です。
先輩看護師だけで対応できる時もあれば、上長との相談が必要な時もあるでしょう。組織全体で改善策を考えていかなければなりません。
振り返りは当日中に
インシデントの振り返りはすぐに行わなければ効果がありません。時間が経過してしまうと記憶が曖昧になってしまうからです。記憶が鮮明なうちに振り返りの機会を設けて、自身の行動と照らし合わせながらインシデントが発生した状況や原因を整理していきましょう。
新人看護師に自ら考えさせるのは大切なことですが、ミスしたことに動揺してしまい上手く進められない場合もあります。その場合は新人が何を考えているのかを聴き出してください。インシデントが起こる要因は色々あります。それを知るために新人看護師の考えについて丁寧に質問していきましょう。もし、自分の考えと新人看護師の考えが違っていても口を出してはいけませんよ。受け入れる姿勢を見せましょう。
「できる」「できない」を明確にする
インシデントが起きてしまったら個人の責任を追及するのではなく組織全体の問題として改善策を考えていかなければなりません。ですが、できなかったことの改善だけを考えるのではなく、「できている」「良いと思った対応」を明確に伝えることも大切ですよ。
振り返りは落ち着いて話せる空間で
新人看護師の成長のために厳しく指導することもあるでしょう。ですが、大勢の前で強い口調で注意したり、ミスを繰り返し追及したりするのは指導ではありません。
大勢の前で恥をかかされて気持ちを強く持てる人はいませんよね。それでは委縮してしまうだけです。インシデントの振り返りは面談室や会議室など、他人の目がなく落ち着いて話せる空間で行うようにしましょう。
精神的なフォローも忘れずに
ミスしたことを反省し前を向くように努力していても、周囲の言葉や態度で責められていると感じることもあります。そのような環境では「またミスをしてしまうのかも」と恐怖心を抱いても仕方がありません。気持ちを落ち着かせ、励ますことも必要ですよ。
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患者の不注意が原因で与薬事故や転倒事故が起こる場合もあります。直接関与していませんが監督不行届きだとして看護師のミスになってしまうことも。納得できないかもしれませんが、組織全体の問題として再発防止に取り組みましょう。
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新人がやってしまいがちなミス
新人看護師は自己完結せず何でも質問するように心がけましょう。先輩看護師が忙しくしていると些細なことを質問するのはためらってしまいますが、知ったかぶりで行動する方が危険ですよ。遠慮せず質問するようにしましょう。